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2017年10月2日月曜日
時々テレビで目にする「成仏してください」「迷わないでください」と合掌する姿。これはなくなった方が成仏していない、迷っていることが前提の上での祈りです。 また、誰かが亡くなるとメディアでの定型句は「ご冥福をお祈りいたします」。中村仏教辞典によると冥福という言葉は弘法大師の『三教指帰』に出てきますが、この冥福は死者の幸せという意味では用いられていないようです。(間違っていたらごめんなさい)漢字の上で冥は「暗い」を意味します。そして、誰かが亡くなった場で使われる冥福は「冥界、冥土での幸福」という意味でしょう。すると冥福は故人が暗い世界に行ったことを前提としている言葉になります。これって先の「成仏して、迷わないで」と同列上にあると思いませんか?そんな意図はなく故人の死後の幸せを願って使っている方がほとんどだと思います。であるならば、口にする言葉は選んで使われるべきです。 宗教をもたない方には浄土も天国も存在しませんが、キリスト教にはキリスト教の、神道には神道の死後の世界を表現する言葉があります。宗教をもつならば、それぞれの宗教の言葉を大切にしましょう。そして、浄土真宗ではいのちのゆくえを浄土と聞かせていただきます。浄土を「光の世界、限りない命の世界」などと親鸞聖人は表現されます。そこには暗いという意味は全くありません。暗闇が光に、有限が無限に転ぜられていく教えが仏教であり浄土真宗です。そして「不可思議光」「無量寿」といただく浄土という世界があるのです。 ちょっと気恥ずかしいかもしれませんが、「あの方はお浄土に往かれた。私もお浄土に生まれさせていただくのだ。」と口にしてみませんか?
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