2018年1月27日土曜日

2018年1月7日日曜日

お寺が大変お世話になった方が入院されたとのことでお見舞いに行ってきました。普段は絶対に人の悪口や嫌いということを言わない父がこの病院は嫌いだと珍しいことを言っていたので理由を聞いてみたところ、以前お坊さんの格好で見舞いに訪れた際にそんな格好で来るなと受付で言われたそうです。アメリカだったら裁判だな、で、病院が確実に負けるなというような出来事です。 確かに僧侶として人の死の場面に接することは多いです。ですが、お坊さんが死を運んでくるのではありませんし、お坊さんに会ったから死ぬのでもありません。もしかしたらお坊さんを見ることによって、それまで考えたこともなかった自身や親しい方の死を考えてしまうのでしょうか。もしそうであるならば、とても大事なことだと思います。自分が死ぬ間際になって「死ってなんだろう」「生ってなんだろう」って考えても手遅れかもしれないですけどね。 アメリカではとか日本ではとかあまり言いたくありませんが、日本の医療機関の多くは宗教に対する理解がとても低いように思います。アメリカの医療機関にはホスピタルチャプレンという国家資格をもつ宗教者が常駐していることが多く、入院患者、その家族、そして医療に携わる方に対して宗教行為やカウンセリングを行います。チャプレンは警察や刑務所, 学校などなど様々な機関にいます。 私はチャプレンの資格は持っていませんでしたが、宗教者として定期的に病院やリハビリ施設、老人ホームを訪問していました。また、臨終のお参りをお願いされて病院やホスピスでお参りすることも頻繁にありました。 仏教を知らない人が仏教者の格好を見て驚くことはありましたが、宗教に関係なく宗教者に対する敬意はどのような状況でも感じることができました。だから病院などでお坊さんの格好をしていて何か言われることは決してありませんでしたし、逆に良く来てくれたと歓迎されました。 一度ある檀家さんの臨終勤行にうかがった時のことです。その方はガンを患っており痛みもあったと思うのですが、私が部屋を訪れると喜んで私を迎えてくださり、涙を流しながらお礼を言われました。クリスチャンである娘さん夫婦と一緒に讃仏偈をお勤めしましたが、その方は体を起こしとても美しい姿勢で合掌し念仏されていました。 数日後その方が亡くなった際に娘さん夫婦に改めて臨終のお参りのお礼を言われました。お坊さんと一緒にお参りをしていた母親の安心感と喜びがとても伝わってきてお寺に連絡して本当に良かったと思うという旨の言葉をくださいました。娘さんとしてはとても複雑な気持ちでお寺に連絡をくださったと思います。ですが、お母様がどれだけお寺を大切にし喜ばれていたかを知っていたからこそお坊さんに来て欲しかったそうです。そして娘さんも一緒にお参りをして本当に良かったとおっしゃっていました。 もし、この文章を医療や病院に携わる方が読んでくださっているなら是非ご一考ください。お坊さんの話が聞きたいという方が病院にいるならば、お坊さんとしてお見舞いさせてください。

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2018年1月3日水曜日

今年もお寺で元旦のお参りが勤まりました。うちはゆっくりめで午後1時から。みんなで一緒に正信偈を勤めたのですが、小さな子供たちの大きな声が内陣まで響いてきてとてもありがたく味わいながらのお参りでした。 そのとき考えていたのが、一年をお寺で、お参りで始めるってありがたいことだなってことです。神社への初詣もありがたいことだと思いますが、みんな何を思って手を合わせるのかを考えてみました。たぶん(飽くまで私の憶測です)、一年を建康にとか、家内安全とか、合格祈願とか、病気平癒とか、商売繁盛等々だろうなと思いますし、悪いことではないと思います。でもこれってどれも「私」か「私に関係ある人」に関する願いで、言葉を換えれば欲望・願望の実現です。 仏教には、私(我と言います)の願望をほとけに聞かせて実現してもらうというお参りは存在しません。ことに、浄土真宗はほとけ様の願いをこちらが聞く教えです。私の願いから仏の願いへの転換です。もしも、私の願いをほとけ様に聞いていただくことがあるならば、その願いの中身はこうならなくてはいけません。「たとえ私の身がどのような困難や苦痛に落ち、永遠という時間を過ごさなくてはならないとしても、他の全てのものたちが仕合わせであり、本当の喜びにであえるならば、私は仕合わせであり決して後悔したりしないでしょう。」実はこれ、阿弥陀様が私たちのいのちの仕合わせを願われたときの言葉です。 そのようなほとけ様がいらっしゃる、私のいのちが願われていることを聞かせていただき、励ましてもらうのです。お互いに、ほとけ様の願いの中に励ましてもらう一年を過ごさせていただきたいものです。

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